湯けむり発電規制緩和へ
政府は、温泉の蒸気や熱水を利用して発電する「湯けむり発電」の普及を進めるため、この発電方式の導入を目指す事業者の負担を軽減する規制緩和を進める方針を固めた。
安倍総理大臣は、18日、大分県別府市を訪れ、実用化に向けた実験が行われている「湯けむり発電」を視察することにしており、その際に、こうした考えを表明することにしている。
湯けむり発電とは
平成24年4月30日の報道ステーションで、大分県にある別府温泉における「湯けむり発電」への取り組みが紹介された。
福島第一原発の事故を受けて、原発以外の発電方式、改良型火力、水力などの既存方式に加え、風力や太陽光、潮力、小水力、地熱など様々な代替エネルギー開発への取り組みに期待が集まっている。
中でも世界有数の火山国である日本が持つ地熱資源は、なんと原発20基分に相当するとも言われ、湯けむり発電はまさにその地熱資源を利用した小規模発電の仕組みだ。
湯けむり発電の仕組みについては、開発を進める大分県大分市の株式会社ターボブレードのホームページに解説がある。
規制緩和で何が変わるか
現在は「湯けむり発電」を行う際にあたり、ボイラー・タービン主任技術者を配置することが義務づけられている。
そのため人件費が導入の障害となっていることから、法律の運用を改善し湯けむり発電普及の後押しをする。
具体的には、短期間の研修を受けた人を置くことで、ボイラー・タービン主任技術者の代わりを務められるようにする方向だ。
湯けむり発電への期待
湯けむり発電は温泉の井戸から噴き出す蒸気と熱水でタービンを回して発電する、既存の温泉を活用する方式のため、大がかりな施設を必要とせず、安全面等で地域住民の理解が得やすく、環境アセスメントも必要ないことから、導入障壁の少ない再生可能エネルギーの1つとして期待されている。
電力の地産地消につながり、送電ロスも少ないことから資源の有効活用という点でも歓迎されるだろう。このような小型の地熱発電システムが普及することは地域の活性化にもつながると期待されている。
日本中にある、個性豊かな温泉街が湯けむり発電の灯りに照らされ観光客で賑わう日も近いかもしれない。
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